大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和46年(行ク)34号 決定

申立人 日本共産党中央委員会

右代表者議長 野坂参三

右訴訟代理人弁護士 渡辺脩

福島等

字津泰親

坂本修

山根晃

大森鋼三郎

佐藤義弥

宮沢洋夫

被申立人 東京都公安委員会

右代表者委員長 阿部賢一

右指定代理人 宮脇磊介

〈ほか五名〉

右訴訟代理人弁護士 沢田竹治郎

山下卯吉

竹谷勇四郎

武藤正敏

高橋勝徳

福田恒二

金井正人

主文

本件申立てを却下する。

申立費用は申立人の負担とする。

理由

一  申立ての趣旨及び理由

別紙(一)記載のとおり

二  被申立人の意見

別紙(二)記載のとおり

三  当裁判所の判断

申立人提出に係る全疎明をもってしても、少なくとも「北参道―東京ハウス角左―代々木駅前」進路における限り、本件集団示威運動が申立人を襲撃することのみを目的として行なわれるものであるとは、到底、認められない。また、右集団示威行進によって申立人のごとき一般第三者が損害を被るおそれがあるとしても、事後にその責任を追及するのは格別、事前に集団示威行進そのものを制限するためには、集会結社、思想表現の自由が近代的民主主義の基本原則であるところから、憲法がこれを侵すことのできない永久の権利として保障していることにかんがみ、明白かつ現在の危険のある場合でなければならないというべきである。しかるに、本件疎明によれば、かかる危険があるものとは認めることができない。

よって、本件申立ては、理由がないので、これを却下することとし、申立費用の負担につき行訴法七条、民訴法八九条を適用して、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 渡部吉隆 裁判官 横山長 渡辺昭)

〈以下省略〉

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例